- カロリーって何?
- 糖質って何?
- なぜ低カロリー・低糖質・高たんぱく質?
ダイエットっていろんな用語がでてきてややこしいですよね…
そこで本記事では,元ジムのインストラクターである僕がカロリーと三大栄養素について解説します.
加えて,低カロリー・低糖質・高たんぱく質の理由についても解説しているので,是非ご一読を.
ダイエットのための用語解説『カロリー』と『三大栄養素』

以下の順番で解説します.
- カロリーとは?
- 三大栄養素とは?
カロリー = 食べ物が持っているエネルギーの単位
カロリー(calorie)とは,食べ物がどのくらいのエネルギーを持っているかをあらわす単位です<1>.
私たちの身体を動かすためのエネルギーは食べ物から得ますから,その量を知るための単位は大切です.
例えば,白米ごはん大盛り(200g)は321kcalのエネルギーが含まれます.
336kcalの内訳は,3つの栄養素ごとに分けることができます.

このように,単位を”calorie”の頭文字をとって”kcal”と表記します.
三大栄養素とはたんぱく質・炭水化物・脂質のこと
三大栄養素とは,『たんぱく質』・『炭水化物』・『脂質』のことです<1>.
以下に,三大栄養素の主なはたらきと1gあたりのカロリーをまとめます.
栄養素 | はたらき | 1gあたりのカロリー |
---|---|---|
たんぱく質(Protein) | 筋肉・臓器・皮膚・毛髪などを作る材料となる | 4 kcal |
炭水化物(Carbohydrate) | 活動の主なエネルギー源となる | 4 kcal |
脂質(Fat) | 活動の主なエネルギー源・細胞壁の材料となる | 9 kcal |
三大栄養素が食べ物に含まれる割合を,それぞれの英語の頭文字をとって,PFCバランスといいます.
ダイエットでは,どの三大栄養素をどのくらいの量食べるかというPFCバランスが重要になります.
なお糖質とは,炭水化物のうち食物繊維以外のものを指しますから次式であらわせます.
糖質 = 炭水化物 - 食物繊維
糖質の例としては,デザートなどの甘いものだけではなく白米・パン・麺類といった甘くないものもあります.
では,具体的にどのくらいのカロリーを摂取すればよいのかを理論に基づいて計算していきます.
»低糖質・高たんぱく質の理由について早く知りたい人はこちら
やせたいなら1食あたり500 kcalを目安にするとよい
ダイエットで成功するには,1日のうち1食あたり500 kcalを取っていれば1カ月で2kg痩せることが可能になります.
やせるための1食あたりの摂取カロリー=
{(1日に必要な摂取カロリー) – (体脂肪を減らすためのカロリー)}÷3食分
では,この式について以下の順番で解説していきます.
- 1日に必要な摂取カロリー
- 体脂肪を減らすためのカロリー
必要な摂取カロリーは1日1,750 kcal(女性の場合)
1日に必要な摂取カロリーは,厚生労働省<2>によって性別毎にまとめられています.
体重や年齢によっても差が出ますが,運動習慣がない場合以下のカロリーは以下のようになります.
男性 2,280kcal
女性 1,750kcal
体脂肪を2kg減らすには1日-480kcal
体脂肪を1kg落とすには,7,200kcalのエネルギーを食事からおさえる必要があります<3>.
例えば,1カ月で体脂肪を2kg落としたい場合は14,400 kcalの食事制限をする必要があります.
体脂肪を減らすために抑えるカロリーは,以下の計算より1日あたり-480kcalです.
14,400 ÷ 30(日) = 480kcal
※1カ月=30日とする
1食あたり500 kcalの具体的な計算
さて,これらの摂取カロリーと体脂肪を落とすためのカロリーをふまえて以下の式を計算していきます.
やせるための1食あたりの摂取カロリー=
{(1日に必要な摂取カロリー) – (体脂肪を減らすためのカロリー)}÷3食分
男性の摂取カロリーが1日あたり2,280kcal,体脂肪を減らすためのカロリー480kcalを上式に当てはめると以下のとおり.
(2,280 – 480) ÷ 3 ≒ 600kcal
同様に,女性の摂取カロリーが1日あたり1,780kcalなので以下のようになります.
(1,780 – 480) ÷ 3 ≒ 400kcal
よって,ダイエットで成功するには,1日のうち1食あたり以下の基準値でカロリーを取っていれば1カ月で2kg痩せることが可能になります.
- 成人男性:1食600kcal以内
- 成人女性:1食400kcal以内
これらを平均すると,だいたい500kcal以下の食事をしていればやせることができます.
やせたいなら1食あたりの糖質30g以下
一般社団法人の食・楽・健康協会<4>は,1食で摂取する糖質量を20~40gにするという低糖質な食事制限を推奨しています.
以下のような食事をとることで,1日の糖質量を70g~130g以内にするのがよいとされています.
- 朝食20~40g
- 昼食20~40g
- 夕食20~40g
- 間食10g
よって,平均して1食あたり30g以下くらいの糖質をとると考えておけばよいでしょう.
低糖質でやせる理由は以下の3つです.
低糖質の理由①:カロリーが抑えられるから
1つ目の理由は,単純に『食事量が減る=カロリーが減る』ことによってやせるからです.
先ほど述べた通り,糖質1gには4kcalのエネルギーがあるため食べる量に比例して摂取カロリーが大きくなります.
例えば,糖質を30g減らしたら120kcal減るのでカロリー計算的にやせることになります.
低糖質の理由②:体脂肪が蓄えにくくなるから
2つ目の理由は,脂肪を合成する役割をもつホルモンの分泌を抑えられるからです<5>
糖質を取ると,インスリンというホルモンが分泌され,血液中の糖分を体脂肪として蓄えてしまいます.
よって,糖質を控えめにすることで体脂肪を蓄えにくくすることができます.
低糖質の理由③:空腹をおさえることができるから
3つ目の理由は,血糖値の急降下を防ぐことによって空腹をおさえることができるからです<1>.
糖質を取ると,血糖値が上がり,インスリンが血糖値を下げます.
下図のように,血糖値が下がったときに「空腹」を感じますから,血糖値の急激な変化を防ぐことが空腹をおさえる秘訣になります.
よって,低糖質な食事をすることで空腹をおさえることができるのでダイエットに有効になります.
やせたいなら1食あたりのたんぱく質10~20g以上
リバウンドなどで失敗せずに,効率よくやせたいなら高たんぱく質の食事をするべきです.
厚生労働省の日本人の食事摂取基準<2>によると,1日あたりの推奨量は65gとなっています.
よって,1食あたりのたんぱく質量が10~20g以上となるようにするとよいでしょう.
高たんぱく質でやせる理由は以下の2つです.
高たんぱく質の理由①:リバウンドしにくくなるから
ダイエット中では,脂肪だけでなく筋肉も落ちやすくなります.
そのため,筋肉量をなるべく落とさないためにも筋肉の材料であるたんぱく質を多く摂取する必要があります.
高たんぱく質の理由②:食べるだけでカロリーを消費するから
たんぱく質は固形で食べると,分解するためにエネルギーを消費するためやせる効果が期待できます<6>
厚生労働省によると,たんぱく質のみを摂取した場合は摂取エネルギーの30%,糖質のみは6%,脂質のみは4%のエネルギーを消費することがわかっています.
よって,消費カロリーを大きくするために高たんぱくな食事をすることがダイエットでは大切になります.
食事管理がめんどうなら食事宅配に置き換えるのがおすすめ
ここまで説明してきた1食あたりの条件をまとめると以下の通り.
- 500kcal以下
- 糖質量30g以下
- たんぱく質量10~20g以上
しかし,低糖質・高たんぱく質の食事を作ったり,食事管理するのはとても大変です.
僕は実際に食事宅配ダイエットをして1カ月3kg減に成功しています.
【1カ月で-3kg】僕が実際に食事宅配ダイエットでやったこと
食事宅配なら手間が1/3削減される
3食のうち1食を,レンチンするだけで食べられる食事宅配にすることで手間が1/3削減されます.
ダイエット成功のために,必ずしも食事宅配が必要なわけではありません.
自分で食事管理がしっかりできて,食事準備もできるならお金がかかる食事管理を選ぶ必要はありません.
コンビニ・外食は高カロリー・糖質過多
現代人の食事は,たんぱく質が不足している一方で,カロリー・糖質過多になりがちです.
もし普段の食事が700kcalならば,食事宅配(400kcal程度)に置き換えるだけで300kcalをおさえることができます.
1日あたり240kcal落とせば,体脂肪を1カ月で1kg落とせるので,300kcal落とせればカロリー計算的にダイエット可能になります.
特にコンビニで何気なく手に取るような弁当だと,700kcal以上かつ糖質80g以上なんてよくあることです.
以下に,良く食べがちなもののカロリーをまとめてみました.
食事名 | カロリー | 糖質 | たんぱく質 |
---|---|---|---|
唐揚げ弁当 | 750kcal | 100.7g | 29.6g |
カップラーメン+おにぎり | 531kcal | 82.4g | 13.7g |
牛丼並盛 | 683kcal | 103g | 20.5g |
ハンバーガー+フライドポテト+コーラ | 764cal | 105.2g | 18.3g |
こんな感じで食べていたら太るのも当然ですよね.
しかし,低カロリーかつ低糖質な料理は作るのも面倒ですし,外食にもなかなかメニューにないんですよね.
以下の記事では,低カロリー・低糖質・高たんぱく質の条件を満たした食事宅配を紹介していますので是非みてくださいね.
・参考文献
<1>岡田隆ら著,「筋肉をつくる食事・栄養素パーフェクト事典」(2018),ナツメ社
<2>厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020版)」,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
<3>一般社団法人 食・楽・健康協会,https://locabo.net/about/
<4>Jared W. Coburnら著,「NSCA’s Essentials of Personal Training-2nd Edition」
<5>大正製薬,https://brand.taisho.co.jp/contents/diet/detail_116.html
<6>厚生労働省,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html